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10人に1人が失敗する株式投資があったら・・・心理学

心理学
2023.1.17

イメージしてみてください。


あなたは、今から投資をしようとしています。
そこで、投資会社を2社に絞り込みました。
A社の営業担当は
「投資した人のうち、90%の確率で成功します」
B社の営業担当は
「投資した10人のうち、1人は失敗します」

さて・・・
この2社のうち、
どちらの会社に投資を依頼したいと思いますか?


いかがでしょうか?
見て分かるとおり、
2社とも数字的にはどちらも同じ確率です。


しかし、この2通りの伝え方を見た多くの方が、
B社の方が失敗しそうだと感じる傾向にあります。
これは、ある心理効果が働くことで
無意識に脳に影響をおよぼしているからです。


そこで今回は、
『効果的な数値の伝え方』についてお伝えしたいと思います。
・パーセンテージで伝える
・絶対数で伝える


いま、この2つの伝え方をA社とB社で見ました。
実は、パーセンテージで伝えると、
「実在しない可能性の話」と脳が捉える傾向にあり、
絶対数で伝えると、
「実在する人(もの)を想像する」という傾向にある
と言われています。


どちらも無意識に脳に働きかけるため、
気付いたらそう感じているという、
人の生理的な現象ともいえます。


ここで、例をもうひとつ。


「2%の確率で不運に見舞われる」と聞くと
低く感じられやすいですが、
「100人中、2人が不運に見舞われる」と聞くと
実際に2人何があったのかと想像して脳に強い印象が残ります。


要は、印象に強く残したい場合は「絶対数」で、
あまり印象に残したくない場合は「パーセンテージ」で
使い分けると効果的です。


ちなみに、冒頭の投資の例でいうと、
選びたくない会社を印象付けるために絶対数で伝えることで、
消去法でA社が選ばれやすくなります。


では、あなたの身の回りにある数値を
もう一度見返してみましょう。
特に、お客様に対して伝えているような数値は要チェックですね。


例えば、住宅ローン。
変動金利がよく選ばれていることを印象づけたいのであれば、
「住宅ローン利用者のうち、52.5%が変動を選んでいる」
よりも、
「住宅ローン利用者の、2人に1人以上が変動を選んでいる」
という伝え方のほうが効果的です。


※変動のほうが良いということを伝えたいわけではなく、
 あくまで伝え方の例です。


また、住宅ローンが理由で破産している人が毎年、
約1万人(約1%)いると言われていると仮定して、
資金計画の重要性を強く伝える際に、
「約1%の人が、住宅ローンが払えなくなり破産している」よりも、
「約1万人の人が、住宅ローンを払えなくなり破産している」
と伝えたほうが自分にも降りかかってくるリスクとして
危機感を感じてもらいやすくなります。


以上、住宅ローンに限らず、
自社商品やサービスの長所をお客様に伝える際にも
絶対数を使って伝えたほうが効果が高いです。


ちなみに、パーセンテージを使う場合は、
あまり数値を見せたくない、印象づけたくないけど伝えたい、
言わざるを得ない、ネガティブな場面では効果的です。


パーセンテージを使わない方がいい、
という事を言っているわけではありませんのであしからず・・・。

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