「令和のVR・AR活用提案」IoT／AI／VR関係

営業活動における商談の円滑化や商談品質の向上などを目的とする
新しいソリューションが日々誕生していますが、
今回はVR、ARを用いたサービスを紹介します。

住宅展示場をVRで見学

建材商社の野原ホールディングスは、
VR住宅展示場サービス「inTOWN Cloud」を
今年２月にスタートしました。

この「inTOWN Cloud」は、
実際のモデルハウスのヴァーチャル化から
VR展示場用のサイト開設までをトータルサポートするサービスです。
既に導入済の住宅会社では、来場予約数やサイト来訪者数が
それぞれ２倍に増加したという成果も出てきています。

このサービスはオンラインのため、
24時間365日アクセスできることはもちろん、
モデルハウスの意匠面や性能面などのアピールポイントや
設備の仕様などを漏れなく閲覧者に伝えることが可能です。

リアルな住宅展示場運営よりも費用を抑えられるほか、
閲覧者の関心度や購入意欲の度合いを確認できる
独自のアクセス解析機能を実装しており、
確度の高い顧客に絞った営業活動も可能です。

また、この４月にはVR展示場サイト専用の
「セールスボット」を開発しました。
資料請求やメルマガ登録、来場予約の申込などのサポート、
さらにユーザーからの質問を受け付け、回答もボット自身が行います。
このように初回接客時に行う自社の紹介などを
セールスボットが代行することで、営業の効率化につながります。

モデルハウスのVR撮影は、
同社の空間360度撮影サービス「INTO」にて行います。
マーターポート社のPro2 3Dカメラを使用し、
4Kの高画質データが生成されます。
撮影時間は２階建て200平米のモデルハウスであれば、２～３時間程度。
最短５営業日でコンテンツが完成するとのことです。

ARを活用した中古再販登場

中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービスを
展開するリノベる社は今年４月、
ARを活用した中古再販業者向けサービス
「ARリノベ」を本格始動しました。

「ARリノベ」のターゲットは、「オーダーメイドほど凝らずに、
内装の一部に自分らしさを取り入れたい」というユーザーです。
同社がこれまで成約に至らなかった一部の元顧客に
ヒアリングしたところ、約20％が他社でリノベ済み中古住宅を
購入していたという結果が出ました。

さらに、再販物件を購入したユーザーの一部は、
キッチンや洗面台の交換や壁の撤去といった
リフォームを行うケースもあり、
「ARリノベ」はそのようなニーズを捕捉するためのサービスとして
誕生したと言えます。

「ARリノベ」を採用した物件では、
キッチン、洗面化粧台、アクセント壁、
建具などが未設置の半完成状態で、内覧、販売を行います。
内覧時にエンドユーザー自身がARを用いて設備や部材の画像を
リアルな空間に投影することで、
大きさや質感などの完成イメージを確認しながら
購入の意志決定を行うというスキームです。

顧客が選択可能なキッチンなどの仕様は、
同社がこれまで手掛けてきた3,000件超の物件から、
人気の約10種類を用意したとのことです。
ARで投影する際には、例えばペニンシュラタイプのキッチンの場合、
腰壁などの障害物も認識し、
再現度の高いシミュレーションが可能です。

キッチンのほか、新設する間仕切り壁の検討においては、
事前にプログラム上で壁の高さや幅の数値を入力しておけば、
実寸大の間仕切り壁を現場に投影できます。
間仕切り壁のデザインについては、
内窓や扉などの建具を設けたものも用意され、
クロスなどとの色の組み合わせも様々に検討できます。

このほか、住宅設備以外にもベッドなど様々なインテリア情報が
収められており、完工前から室内のレイアウトを確認できます。
仕様の確定後、売買契約と工事期間を経て、
トータルで1～1.5ヶ月程度で引渡しが可能です。

（情報提供：住宅産業研究所）