コロナの影響で変わる店舗・ショールーム市場動向
オープンハウスグループで、都心を中心に住宅設計・建築を手がけているオープンハウス・アーキテクトは、拡大する注文住宅ニーズに応えるため、新たなコンセプトショップである「ライフデザインパーク」を東京・世田谷区の三軒茶屋にオープンしました。
オンライン接客に対応した新店舗開設
また、同施設では新型コロナウイルスの感染予防対策及び、長期的なデジタル活用を目的として、自宅にいながらでも家づくりを行うことができるオンライン接客を導入しています。店舗のコンセプトは、「家づくりと、”人生”づくりの遊び場」ということで、家だけではなく、家と一緒に住む人の一人一人の理想の生き方を設計していくということを目指して開設されました。
また、家づくりは家族全員にとって楽しいことであるべきという想いから、一般的な住宅ショールームの売り場を意識したデザインではなく、最新の住設に並ぶ動物や森を感じさせる什器や、様々ローカルアーティストによるユニークな壁画等、遊び心と夢の詰まった空間になっているということです。現在は、新型コロナウイルス感染対策として完全予約制での案内を実施している他、出入口での手指消毒の実施や、スタッフのマスク着用、体調管理を徹底しています。
さらに、オンラインによる住宅のプランニングも導入しています。初回相談からサンプル住設の紹介までをビデオ会議ツール「Google Meet」の動画通話で行う他、タッチ画面と「Google Jamboard」を活用した図面へのリアルタイムでの書き込みの共有や、専用カメラを使ったサンプルの紹介も行なっているということです。ユーザーは、自宅からパソコン・タブレット・スマホ等を使って、同社のインテリアコーディネーター等の担当者と動画で通話をしながら、図面や3D パース、住設サンプル等を画面上で確認することができます。
同社では、オンライン接客の他にも、スマホやタブレット、PCから簡単に1000 以上のサンプルを検索・閲覧ができるWEB カタログを6月から導入し、ユーザーの安全を確保しながら、拡大する注文住宅ニーズへの対応を積極的に行っています。今後は、他の店舗においてもオンラインによる住宅のプランニングの導入を進め、長期的なデジタル活用を視野に入れた展開をしていくということです。
コロナ拡大防止策としての移動型ショールーム
住宅会社以外においても、新型コロナウイルス拡大防止のための対策を講じている事例が出てきています。ドアの高さが天井まであるオリジナルの室内ドア「フルハイトドア」を販売している室内ドアメーカーの神谷コーポレーション湘南は、全国各地の家づくり中のユーザーの自宅に、コロナ感染対策を施した移動型ショールームである「夢はこ」を届けてドア選びをサポートするサービスを実施しています。
「夢はこ」は、2tトラックを改造してショールームスペースを作製し、最新のドアやクローゼット扉などを展示して全国を回る移動型のショールームです。ユーザーは、完全予約制の1組限定で室内ドアの展示を見学することができます。ショールーム内は換気が行き届いたスペースになっており、安全にじっくりとドア選びが可能ということです。
また、詳細を説明するスタッフはショールームスペースには入らず、備え付けのマイクを使って案内することでソーシャルディスタンスも確保できています。さらに、「夢はこ」を自宅に呼ぶための費用は無料で実施しているということです。同社では4月以降、説明スタッフのいない無人のショールーム運営を行う等、一早く新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け対策を行なってきています。
4月にプレオープンした新潟市のショールームでは、展示している全ての商品にスマートフォンで視聴できる案内動画を設置することで、説明スタッフを置かずに無人のショールームを実現しました。また、見学時間も完全予約制で2時間の貸し切りという運用にすることで3密を防ぎ、新型コロナウイルスの感染リスクを低減しています。無人のショールームは今後、全国に7ヶ所にある全てのショールームにおいて、順次導入をしていくということです。同社では、2013年より年2回開催しているエンドユーザー向けの新商品発表イベントを、6月に同社では初となるZoomによるオンラインで開催する等、今後もコロナ対策を充分に実施した営業展開を行なっていくということです。
(情報提供:住宅産業研究所)