下請けから完全に脱却し、元請けで安定受注している工務店 vol.2商品・トレンド
前回、下請けから新築元請けに転身した工務店が、取引業者を変えずにコストダウンして、お客様目線の分かりやすいメニューを作った経緯をお話しました。
OB客やお客様に日頃の支援を感謝して行う、感謝祭の様子。下請けの仕事はすべて断り続け、やっと取れた初めの仕事は独立から3ヵ月後。88,000円のリフォームでした。それ以外は仕事がまったく無かったので、工事前と工事後の2回、
現場の半径500mの家という家に片っ端から挨拶まわりをしていったそうです。
下請け大工だった社長は営業なんてしたこともなかったのに、ピンポンを一軒ずつ押しながら「リフォームのご用命があれば、よろしくお願いします!」と言って回ったのです。
そのおかげで、、、
キッチンのリフォームが3件取れたときは嬉しくて仕方なかったそうです。“捨てる神あれば拾う神あり” ですね!ナックのセミナーに参加した当時の社長の状況はどうだったかと言うと、
・原価が高い(自分では安いと思っている)
・粗利が10%程度と低い
・粗利設定の根拠がない(何となく15%が普通だろうと思っている)
・紹介客で受注にならないことがある
・どんな商品をどんな仕様でいくらで提供できるのかメニューがない
・見積りに時間がかかる
・集客の仕方が分からない
・反響のあるチラシが分からない
・見学会での接客方法が分からない
・次アポの取り方が分からない
そんな状態だったそうです。
新築の工事請負契約をしてもらうためには、お客様から信頼を得なければいけません。ただし、信頼は、家の説明ではなく、住宅ローンや資金計画などお金の話をきちんとできるかどうかが重要だと社長は気付きました。お客様は『家が信頼』できたから契約するのではなく、『会社(または担当者)が信頼』できたから契約するのです。住宅ローンや金利の勉強なんて下請け時代にしたこともなかったのに、お客様に分かりやすく説明できるようになり、信頼を得られるようになりました。感謝祭では円卓を囲んで食事を振る舞いました。
さらに、
競合がどんな営業をしているのか、どんな家(性能)をいくら(価格)で提案しているのかをハウスメーカーの総合展示場に足を運んで調べて、対策を毎晩考えたそうです。そして試行錯誤の末、競合を排除する方法をようやく見つけ出しました。その中の1つだけ言うと、「図面をタダで書いてくれる会社は、その分、設計士がタダ働きしているので、契約したお客様に利益が上乗せされている可能性があるから止めておいた方がいいですよ。」 とお客様に教えてあげるそうです。それを聞いたお客様は、『図面をタダで書く会社に依頼するのは止めておこう』 という意識が働き、競合対策になるというテクニックです。
これは、そもそも近くの住宅会社の中で無料でプランを書く会社がいなければ成立しない競合対策。辛抱強くライバル調査をした、努力の産物です!このように、競合対策ひとつ取っても分からないことだらけだったので、ナックの担当者に成功例も失敗例もすべて聞き、他県の工務店に何社も聞きにいきました。
「他県だと競合することがないので、すべて包み隠さずに教えてくれた。これが嬉しかったし、役に立った。」と言っています。さらに、「ナックの情報量はすごいし、ノウハウも素晴らしいものを提供してくれる。でも、やはり工務店にしか分からない悩みがある。だから、他の工務店さんとのつながりをつくってくれて、悩みや情報共有をできる場を提供してくれる。全国に仲間ができたことが一番嬉しい。」と言ったときの笑顔が印象的でした。
嬉しかった事はそれだけではありません。数年前の夏休みに、子供から 「○○ちゃんは今度USJに行くんだって。私もUSJに行きたい!」 とせがまれたそうです。お金や時間もなく「また今度な」と、どっちつかずの返事をしていたのですが、夏休み明けのある日、子供が通う学校の友達同士でお土産交換会があり、
自分だけどこにも行っていないから渡すお土産がなくて泣きながら帰ってきたことがありました。「そんな想いを子供にさせてしまった罪悪感と、どこにも連れて行くことができなかった自分の不甲斐なさで涙がにじみました。」
ナックとのお付き合いが始まった翌年の夏休み・・・ついに念願のUSJに家族みんなで行くことができました。「USJの入場口に着いて、子供が私を見上げながら満面の笑みで「パパ、夢じゃないよね?」と言ったとき、子供のためにUSJに行ったのに、私のほうが嬉しくて涙が出ました。」その時のことを話してくれた社長は、感動を思い出してまた涙ぐんでいました。私たちは、こんな工務店様をこれからも造りだしていきたいと思います。