もし、工務店の社長が健康グッズを売る会社の社長だったら集客・マーケティング
先日、スポーツジムでトレーニングを終え、一風呂あびた後、ソファーに座ってゆっくりしようと思ったとき・・・ソファーが置いてある場所で、ある健康グッズが販売されていました。どんな営業トークをしているのか気になり興味本位で、近くにある椅子に腰掛けて販売員の説明に聞き耳を立てていました。
紹介している健康グッズは「ヘッドケア機」。ヘッドスパのカリスマ的な先生の指の動きや絶妙な強さを計測して再現された、頭のマッサージができる手のひらサイズのヘッドケア機です。
スポーツジムのような「健康」とヘッドスパのような「美」は相性がいいので、商品を販売する場所選び戦略は最適です。
40代くらいの男性販売員は、いつもは「ヘッドスパをすることで顔のしわが伸びる」という営業トークをしているそうです。
しかし、そのときジムでトレーニングをしている人は若い女性が多かったので「今日は小顔効果にフォーカスして説明する」と前置きをしてヘッドスパの体験会がスタートしました。若い女性が多いのを見て、営業トークを調整する必要があることをわきまえています。頭の筋肉をリラックスさせることで小顔になる、自宅でできる頭皮専用電動マッサージ機です。
ちょうど目の前にいた女性にゴッドハンドのヘッドスパを感じてもらいながら、効果を科学的根拠をもって説明しています。なかなか良い感じです(笑)!
効果として毎日10分、頭に当てるだけで自律神経が整い血行が良くなる。ホルモンバランスが整い代謝が上がる。血液がサラサラになる。女子力が上がる。等々でした。
ここはメリットになってしまっているので、もう1つ深く踏み込んで“ベネフィット”にする必要がありますね。この点はちょっと減点です(笑)。例えば、自律神経が整うので、朝早く起きても辛くない、とすると良いでしょう。
そして「小顔の即効性はあるが効果が長く続くわけではない」という欠点を暴露しながら「副作用がない」と付け加えています。欠点をうまくかわして、利点に変えていますね!
続いて、「このヘッドスパをすると痩せるの?」という質問をよくされるのですが・・・というトーク。「よく質問されるのですが・・・」と前置きの後、自分の言いたいことを言う、Q&Aを効果的に利用するパターンです。
痩せるのか?という質問に「頭のマッサージをするものなので、痩せたり顔の輪郭が小さくなったりするわけではありませんが、代謝が上がるので痩せやすい体質になり、むくみが取れて子顔に見えます」と男性販売員は答えました。
「痩せます」と言ってしまうと胡散臭くなるから「痩せやすい体質になる」と説明することで納得感がでています!
さらに、ヘッドスパと同時に顔パックもしたら小顔効果がアップするという、関連商品を勧めることも忘れていません。さすがですね(笑)!
そんなことを思いながら聞いていると、あっという間に体験の時間が終わりました。最後に、体験した女性は血行が良くなっているかを計って効果を実感していました。
そして「ぜひ、お友達も連れてきてくださいね」と紹介を依頼した後・・・とどめの一言が。「また明日もお待ちしています!」
ほお~、なるほど。「持続性がない」と言っていたので1回体験するだけではダメなのでしょう。無料お試しのポイントの1つは、効果が出るまで体験してもらうことです。何度も何度も体験してもらって購入に結びつけるために「また明日」。お客様との接触頻度を多くして好感度を上げて購入に結びつけるために「また明日」。理にかなった戦略です!
全体的にみても洗練された営業トークでした。きっとこのトークが完成するまで考え抜き、何度も試行錯誤を繰り返したのでしょう。
かなり練られた販売戦略ですね!
もし、あなたがヘッドケア機を売る会社の社長だったら、どんな販売戦略を立てますか?