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新型コロナウイルスの住宅業界への影響と対策市場動向

商品・トレンド
2020.3.16

昨年末に中国武漢市で発生した新型コロナウイルスは全世界に脅威を与えています。日本でも今年2月頃から警戒態勢を強め、全国の小中学校の臨時休校による春休みの前倒しや、人が大勢集まるようなイベントの自粛が要請されました。

株価の下落など、世界経済へも影響を及ぼし始め、日本においてはここ数年右肩上がりだったインバウンド消費にブレーキをかけ、観光産業や飲食業、小売業に大きな打撃を与えています。マスクやアルコール消毒薬等の衛生用品の不足だけでなく、紙製品が一次店頭から消える等の混乱もきたしています。新型コロナウイルスの脅威は、住宅市場へも影響を与えています。


部資材の納入遅延


中国の工場での生産が停滞していることにより、パナソニック、LIXIL、TOTO等の住設メーカー各社の部品調達に遅れが生じ始めています。販売店に対しては、納品時期が通常より遅れるという通達が出されました。特に遅延が発生しているのは、IHヒーター、温水洗浄便座、食洗機などの設備です。設備納入の遅延があっても完了検査を受けられるという措置はありますが、引き渡しは待ってもらわざるをえない状況が増えてくるでしょう。3月が決算の住宅会社の業績には確実に影響してきますし、中小のビルダー・工務店にとって引き渡しの遅れは死活問題になりかねません。 


集客イベントの自粛


建材等の見本市、工務店向けセミナー等、大きな会場に大勢が集まるイベント等の中止も次々と発表されています。総合展示場や地域のホールを借りての大型イベント、バスツアーなどの集客イベントを中止する住宅会社も出てきています。消費増税後に減退していた展示場集客は徐々に上向くものと見られていましたが、ブレーキがかかってしまいました。対策としては、予約制の個別相談会や少人数制イベントで、濃い客に絞って集客するといった方法が考えられます。また、打ち合わせのプランづくり・仕様決定の打ち合わせ回数を減らすために、企画型商品の投入やWEB商談システムの強化と言った対策も考えられます。

 

住宅購入意欲の減退


経済や暮らしの先行き不安によって、集客以前に、住宅を検討していた客層が計画を先延ばしにする、あるいは計画そのものを仕切り直すことも考えられます。こればかりは住宅会社が単独でどうにかできるような問題ではありません。新型コロナウイルスの一刻も早い収束と、その後の住宅需要の回復に期待したいところです。

(情報提供:住宅産業研究所)


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