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住宅会社がグッドデザイン賞続々受賞ハウスメーカー

業界ニュース
2020.2.17

2019年10月、公益財団法人日本デザイン振興会から2019年度グッドデザイン賞(以下、GDA)が発表されました。GDAは、製品・商品の意義や価値、品質や技術など、様々な観点から総合的に判断し、決定しています。応募件数4,772件の中から受賞に至ったのは、1,420件で過去最多とのことです。住宅関連会社の受賞状況としては大手ハウスメーカーが5社・13件の受賞、この他ビルダーや地域工務店も多数受賞しています。近年は業界問わず、GDA受賞を目指す企業が増加しました。

この背景にはGDAの認知度の高まりが挙げられます。日本デザイン振興会が実施した最新のアンケートによると、GDAとその受賞商品であることを示す「Gマーク」の国内認知率は、それぞれ8割に上るとのことです。また、Gマークが付けられた商品については、総合的に「高品質で魅力があり使いやすいもの」と受けとめられ、GDAを受賞した企業に対しても「センスがよく、社会的に信頼できる」というイメージが持たれる傾向にあるとのことです。Gマークを知っている人のうち、「Gマークのついた商品を選ぶ」との回答が半数近くを占め、同様な商品間の比較であればGマークが付けられた商品が選択される確率はかなり高いです。また、GDA受賞は社員のモチベーション向上に寄与する可能性があると言えます。これまで取り組んできた業務が「GDA」として第三者機関に評価されることは社員満足度につながるでしょう。「社外」のエンドユーザーと「社内」の従業員に対してプラスに作用することが期待できるGDAを企業目標の一つとして掲げることは有用かもしれません。


積水ハウスが集合住宅含め3件受賞


積水ハウスは3件において、2019年度GDAを受賞しました。同社の技術と設計提案力の融合により実現させた大空間リビングの「ファミリースイート」、集合住宅プロジェクト「プライムメゾン江古田の杜・グランドメゾン江古田の杜」及び「プライムメゾン両国」です。今回紹介するのは集合住宅ブランドであるプライムメゾンにおいて獲得した2件です。

「プライムメゾン江古田の杜・グランドメゾン江古田の杜(集合住宅)」は積水ハウスの他、坂倉建築研究所・長谷工コーポレーションのJVによるプロジェクトです。同プロジェクトは100作品のみが受賞できる「グッドデザイン・ベスト100」に選出され、さらに特別賞として「グッドフォーカス賞(防災・復興デザイン)」を受賞しました。この集合住宅は、子育て世帯向け賃貸や分譲住宅、高齢者向け賃貸住宅、単身者向け賃貸住宅など住居を主とし、老人ホームに保育所、学童クラブ、子育て支援施設などの福祉施設も包括しています。

さらにレストラン、スタジオ、コンビニ、薬局などの商業エリアも併設し、江古田の杜の中で多世代交流や循環型まちづくりを促し、人と人、人とまちの「結び付き」を育むことを目指しました。審査委員の評価としては「施設間や地域との連携、多世代共生の好事例として評価された」とのことです。

「プライムメゾン両国」は同社の高級賃貸ブランドであるプライムメゾンのプロジェクトです。同社によると高級マンションの多くはRC造とのことですが、プライムメゾン両国は敷地・建築条件を考慮して鉄骨造にて計画されました。工期短縮や施工精度向上を目指し、内装材の一部をプレハブ化して施工しました。ファサードとしては各階、天井までのハイサッシを並べ、建物からこぼれる光はぼんぼりのような雰囲気を演出しています。


エクステリアデザインにもこだわった分譲プロジェクト~ポラス


近年はハウスメーカーだけでなく、地域ビルダーがGDAを獲得するケースが増えてきました。その中でも筆頭はポラスグループで、同グループは2019年度GDAにおいて4件受賞し、これで17年連続、通算受賞点数は40点に上ります。今回紹介するのは2019年度GDA受賞となった「庭間(テーマ)のある家」です。つくばエクスプレスを軸に都市開発が加速する流山市にて開発された分譲地プロジェクトで、区画整理が進む「流山セントラルパーク」エリアの最寄駅徒歩4分の場所に立地しています。事業者であるポラスガーデンヒルズのプロジェクトチームに外部のエクステリアデザイナーやファサードデザインに実績のあるYKK APエクステリア部が参画しています。

住宅は高低差のある敷地の特徴を生かして緩やかな段差でつながる空間構成とし、外部と庭、住宅を緩やかにつなげる「リビングガーデン」を設置している点が特徴です。外部空間と住宅の連続性をデザインする際には、住宅のプライバシーの確保にも注意したとのことです。リビングガーデンにはアルミ鋳物の格子を設置し、外からの視線を絶妙に遮っています。審査委員の評価としては、「街路空間と住宅の間の境界部分を居場所化し、豊かな空間を創出していること、そして新しい風景へのポテンシャルが評価された」とのことです。

(情報提供:住宅産業研究所)

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