2020年、本気でネット集客に取り組もう
2020年がスタートしました。1年の最初は明るい話題でスタートしたいところですが、今回は皆さんにとって耳の痛い「生き残り」に関してお話しさせていただきます。
避けられない顧客減少。「集客」の低迷が顕在化
2019年は、消費増税が住宅市場に大きな影響を与えた1年でした。増税前の特例期限となった3月までは、一部で駆け込みの動きも見られたようですが、4月以降はエリア・企業規模を問わず苦戦が目立ち、10月以降、苦戦が顕著になっています。住宅業界としては「4月で増税」という感覚をお持ちの方も少なくなかったようですが、一般消費者の住宅購入マインドは、実際に増税が実施された10月を境に目立って低下したと考えられます。増税対策となる「住宅ローン控除延長」や「次世代住宅ポイント」なども、住宅検討初期のお客様にまで十分認知されているとは言い難く、反動減を跳ね返すだけの材料にはなっていません。
特に深刻なのが「集客」です。住宅展示場協議会・住宅生産振興財団が集計した昨年4月~11月の住宅展示場来場者数は前年度を約3.6%下回っています。住宅各社の声を聞いても、地域・会社規模を問わず、モデルハウス・見学会・イベントなどの来場が目に見えて減少しているとの声が目立ちます。この集客数の減少傾向は、おそらく2020年に劇的に改善される可能性は低いでしょう。さらに、かねてから問題視されていた人口減・中古市場シフトの影響も、顕在化することが予想されます。2020年は、いよいよ「住宅会社の生き残り競争」が本格化する年になるかもしれません。
「商品」も「営業」も重要だが、生命線は「集客」
縮小する市場の中で自社が選ばれ続けるために、必要な要素は数多く存在します。お客様に支持される「商品」の開発や、お客様に自社の魅力を伝える「営業」も、もちろん重要です。しかし、特に中小ビルダー・工務店が後回しにしてしまいがちなのが「集客」です。どれだけ魅力的な建物やスタッフが存在する会社でも、その存在を一般のお客様に知っていただかなければ、お客様に選んでいただくためのスタートラインにも立つことができません。縮小が避けられない住宅市場の中で、自社のお客様となり得る見込み客を確実に集めるための集客活動は、生き残りの重要事項といえるでしょう。
そして、集客活動において重要な位置を占めるのが「ネット」です。さきほど、住宅展示場の来場減について触れましたが、各社の営業担当者に聞くと、現場の体感レベルでの接客数は、より減少しているという声が目立ちます。住宅展示場に足を運ぶお客様も、現地で目についたモデルハウスに入るのではなく、ネットで見学先をあらかじめ決めてから来場する方が増えていると考えるのが妥当でしょう。近年、ネットで発生する反響が「カタログ請求」から「来場予約」へシフトしつつあるのも、その現れと言えます。つまり、ネットは住宅検討中のお客様にとって「情報収集ツール」から「比較・検討・絞り込みツール」へ変化しつつあるのです。こうなると、ネットで適切な自社PR活動が行えない会社は、比較検討の土俵に上がることができず、最初からお客様の選択肢にあがらない…ということになってしまいます。もちろん、集客も期待できません。
これまでネット活用を後回しにしてきた会社、「とりあえずやっている」程度でやり過ごしてきた会社も、これ以上の先延ばしは許されません。減少するとはいえ今後も確実に存在する「住宅検討中のお客様」に選ばれ続けるため、2020年こそ、自社のネットにおける効果的なPR方法を探究しましょう。
(情報提供:住宅産業研究所)