住宅会社が空気をキレイに保つためにできる取り組み
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住空間の空気を清潔に保つ手段とは
換気については、
第一に、義務化された24時間換気システムが挙げられます。
換気種類としては第1種、第2種、第3種がありますが、
給気、排気ともに機械で行う第1種換気、
給気のみを機械で行う第2種換気は、
一般的に衛生的なメリットが大きいとされています。
空調システムにウイルスを捕集するようなフィルターを
設置することも空気をキレイに保つための1つの手段です。
昨今では高性能のフィルターも充実してきており、
PM2.5やアレルゲンなどの微細粒子の捕集効率が高いものや、
ウイルスの不活化、カビ抑制、消臭効果を持つようなものもあります。
戸建住宅においてもすっかり市民権を得てきた全館空調を採用することも、
空気をキレイに保つために効果的な方法です。
全館空調の中にはウイルスなどに効果のあるイオン発生機能を備えたものや、
空気清浄機能を実装したもの等があり、
家中を均一な温度としながら清浄な空気を保つことが可能です。
また加湿機能を組み合わせた全館空調であれば、
乾燥対策もすることができます。
換気・空調システムのほかに、
抗ウイルス資材を用いることも1つの方法でしょう。
例えば床材には、
光触媒機能によりウイルスや菌などを除菌する機能を持つものがあります。
ほかにも壁材では、漆喰などは抗菌効果が期待できるとされています。
設計における工夫、
暮らし方における工夫というのも疎かにしたくないところです。
パッシブ設計的な考え方で、
窓を空気の抜けやすい位置に設置すれば、
窓の開放時に効率的に換気を行うことができます。
庭やウッドデッキなどといった屋外空間を活用する暮らし方も、
フレッシュな空気を取り込みながら、
健やかな生活を送ることの手助けとなり得ます。
ただ、こういった暮らし方における工夫を施す際は、
居住される方に
「空気がこもっていると感じた際は吹抜上部の窓を開放してみて下さい」
などと、
適切な住み方をしっかりと伝えておくことが大切になってきます。
住宅会社の取り組み事例
ここからは、空気環境をキレイにするために、
住宅会社が実際に行っている提案を見ていきましょう。
パナソニックホームズは換気システムに
「HEPAフィルター」を採用しています。
このフィルターは精密機器工場のクリーンルームなどでも
使用される高性能フィルターで、
0.3μmの微粒子を99.97%捕集する効果を持つとします。
PM2.5というのは、粒径が2.5μm以下の微小粒子状物質の
総称であるため、PM2.5はもちろん、
それよりも小さなウイルスや菌にも効果があるとされています。
実際、HEPAフィルターを搭載した全館空調システム
「エアロハス」では、インフルエンザウイルス感染価の
低減効果が確認されています。
また、2025年1月には、
HEPAフィルターを搭載した同社の空調システムが、
花粉問題対策事業者協議会の「花粉対策製品認証」を、
住宅業界として初めて取得したとも発表しています。
2月ごろから花粉に苦しむ人が多くなってくることを考えても、
この認証はアドバンテージになるかもしれません。
三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」は、
花粉やカビの胞子を約97%カットするとしている
高性能除塵フィルターを採用。
さらに、深紫外線LEDと光触媒フィルターで
菌、ウイルス、カビを除去する「UVクリーンユニット」を
組み込んだ「エアロテック-UV」を標準搭載しており、
清浄された空気を全室に送ることが可能です。
ここまで空気をキレイに保つための方法、
実際の提案例を紹介してきましたが、
空気環境をコントロールするためには
高気密高断熱の住宅であることが前提条件であることを
忘れずにいたいところです。
性能面に手を抜いてしまうと、どんなシステムを導入したところで
狙い通りの効果を発揮してくれません。
コロナ禍を経て、新しい健康意識、衛生観念が定着してきている今、
性能から空気環境までこだわりを持った
家づくりがより大切になってきています。
(情報提供:住宅産業研究)