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2023年09月12日

大手ハウスメーカー各社が「ストック事業」を推進商品・トレンド

mba

大手ハウスメーカーは長らく住宅業界の発展に寄与してきました。
耐震性能や断熱性能の向上といった技術開発に努めてきたことで、
住宅ストックの品質は着実に向上しているはずです。
このハウスメーカーが手掛けてきた中古住宅を再評価、
そして流通促進を目的に2008年に誕生したのが「スムストック」です。

コロナ禍のスムストック流通動向


大手ハウスメーカー10社が参加する優良ストック住宅推進協議会、
通称スムストックはこの8月末、
2022年度(2023年6月期)の活動状況報告会を開催しました。
この報告会では1年間の成約実績や今後の計画が発表され、
報告会の後には成約件数優秀営業の表彰式も行われました。


2022年度のスムストック年間契約件数は前年から22棟増の1,880棟でした。
この件数は2020年度1,922棟に次ぐ2番目に多い実績です。
2008年のスムストック発足以降の累計棟数ということでは17,637棟に上ります。
大手10社の戸建てストックの年間流通数は推定約11,200棟であり、
その内スムストックによる捕捉率は約17%で、
前年度より1ポイントアップしました。


コロナ禍ではYouTubeチャンネルにおける動画配信やバナー広告、
リスティング広告などのネット販促に注力したことで認知度が向上し、
HPアクセス数、査定依頼数、資料請求数は
前年から大幅増となったとのことです。
独自資格制度「スムストック住宅販売士」は、
2022年時点で累計7,898名まで増えています。


この中には新築部門の社員なども含まれているため、
不動産仲介に携わるのはこの内、1,400名程度とのことです。
表彰式において目立ったのはセキスイハイムグループで、
2022年度における営業トップ11の内、過半となる6名がランクインしました。
9位タイが3名だったため、トップ10ではなくトップ11としています。


セキスイハイムグループはエリア販社制を敷いていますが、
グループ全体でオーナーの自宅売却や住み替えといった
相談のフォローに積極的に取り組んでいます。
この原動力がアフター・リフォームを担うグループ会社
セキスイファミエスの存在です。


オーナーから発生する売却相談は
ファミエスの営業担当者が最初に受けるケースが多く、
ファミエスからハイム不動産に紹介案件として引き継がれるとのことです。
ハイムグループのスムストックでの活躍は、
積極的に自社オーナーとコミュニケーションを取る
セキスイファミエスの営業スタイルが奏功したものと言えます。


大手ハウスメーカー、中古買取再販に参入


スムストックをはじめ、ストック流通を推進する大手ハウスメーカーですが、
近年は中古住宅買取再販事業に参入する企業が増えています。
スムストックには買取再販物件も含まれており、2022年度は309件でした。
前年からは25%増加しています。
この分野でも、
ハウスメーカーの牽引役となっている1社がセキスイハイムです。


「Beハイム」ブランドを2020年に始動してから堅調で、
2023年3月期は89棟の販売、売上高30億円の実績でした。
「Beハイム」に注力し始めたことが、
スムストックの成約件数の増加の要因ともなっているようです。
「自宅売却などの相談もハイムへ」ということで、
Beハイムの認知度を高め、オーナーからの相談機会が増えています。


仕入れも順調で、2022年度の期末在庫は前年から2 倍超に増加しています。
平均価格は約3,000万円。
新築住宅の価格上昇が続く市況において、
高耐久で内装も刷新された大手ハウスメーカーの中古住宅の需要は
今後も底堅いはずです。


2021年にはパナソニックホームズグループが
中古買取再販を本格的させることを発表しました。
この発表の前年となる2020年にリフォーム部門、
不動産部門を再編し、ストック事業部を設立したことが契機となり、
直近2022年度には中古買取再販の売上高が25億円まで拡大しています。


同社の特徴はオーナー宅だけでなく、一般物件も手掛けることで、
戸建とマンションいずれも扱います。
今後もパナソニックホームズ不動産とパナソニックリフォームが連携し、
WEBセミナーを開催するなど認知度向上を図り、
中古住宅の魅力度アップを発信していく方針で、
中期計画として2025年度100億円を掲げています。


(情報提供:住宅産業研究)

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