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2023年10月31日

若者のフトコロ事情から考える「住宅会社に求められるもの」市場動向

mba

もう普通の新築戸建なんて買えない…?


前回は若者の興味・関心から住宅会社に求められるものを考えてみましたが、
今回は「フトコロ事情」に焦点を当てて、
若者が住宅会社に求めるものを考えてみます。


現代の若者は中古品購入への心理的ハードルが低い傾向にあります。
博報堂が2023年に行った「生活者のサステナブル購買行動調査」によると、
「新品を買わず中古品を買う」と答えた人の割合は全世代で39.3%。
年代別で見ると最も低い70代が30.0%だったのに対し、
10代は48.7%とほぼ半数で、20代は50.0%と半数に達していました。


このことは前回解説したように、
今の若者はサステナビリティやSDGsへの興味・関心が高いため、
今あるものやまだ使えるものを使っていこうという考え方が強いことに加え、
単純に「中古品の方が安い」ということがあると考えられます。


実質賃金の低下などの不況で、
現代の若者は「普通に」生活するだけでも
昔の若者よりは経済的には厳しいと言えます。
Z世代は特にコスパ志向が強いということはかねがね言われていますが、
その背景にはライフスタイルの変容に加え、
そういった悲しい理由も潜んでいるのかもしれません。


住宅業界では若者のシビアなフトコロ事情を受けて、
新築住宅の価格を「購入を検討してもらえる」まで
下げるための取り組みが散見されます。


「2人暮らし専門店」などのコピーを掲げ、
DINKs等への訴求を強化する提案が全国的に増えてきています。
このような提案は、
出生率が著しく下がっていることも相まって効果的だと考えられます。


小型化で価格を抑える提案の他、
今後若者の中で主流となってくるのではないかと
考えられるのが中古住宅です。


新築住宅よりは価格が抑えられるため、
断熱改修や内装の改装を実施してバリューアップすれば、
上述のようにサステナビリティへの関心が高く、
中古品使用のハードルが低い若者たちには高い訴求力を発揮するでしょう。
現代の若者たちは「自分らしさ」を大切にする傾向もあるため、
あえて自分達で手を加えられる余地を残しておくのも良いかもしれません。


若者に募る将来への不安をどう解消していく?


10年ほど前まではG7の中でも上位であった日本の1人当たりGDPが、
いまや最下位まで転落したというニュースが話題になりました。
分かりやすく衰退している日本経済に、不安定な世界情勢も相まって、
現代の日本の若者は将来に対する不安が大きいと考えられます。


また、情報社会の発達により、
他者との比較が容易になったことも不安を増大させているように思えます。
不安を抱える若者は、資産によって安心を得たいためか、
投資に意識を向けるようになってきています。


国内の資産運用会社など3社が
20代から30代の若い世代に投資への意識を聞いた調査の結果では、
NISAについて「利用している」人と「関心がある」人を
合わせて8割近くに上っていました。


また、三井住友カードが20代を対象に実施した
「投資に関する意識調査」の結果では、
20代の約3割が実際に投資をしており、
「現在はしていないが、近いうちにしたいと思っている」
と回答した人も約3割。
合わせると20代の約6割が投資に意欲的という結果でした。


投資を始めたきっかけとしては、
「無理のない範囲で将来の資金を準備したかった」
という回答が69.6%とトップで、
投資の背景には将来への不安があることがよく分かります。


このことを踏まえ、住宅も「投資の一環」として提案するのは、
これからの一次取得者層への訴求の1つの手かもしれません。
ただ、その提案を説得力あるものとするためには勿論、資産価値が高く、
かつそれが長く続くような住宅を提供しなければなりません。


具体的な方法としては、
性能を高め、長期優良住宅などの制度を活用していくこと、
プランには普遍性の高いものや、
可変性のあるものを採用していくことなどが挙げられます。


既に資産価値を保証するような制度を設けている会社も見られます。
例えば、ヘーベルハウスは
セミオーダースタイルのmy DESSINという商品に対して
買取保証サービスを導入しています。


次代の一次取得者層への住宅訴求ポイントの1つは、
不安解消の手助けとなるかどうかということでしょう。
その観点で考えると、資産性の他、
ウェルビーイングや癒しという要素もより大切になってくるかもしれません。


コロナ禍以降人気が継続しているアウトドア提案、
外構や緑を取り込んだリラックス感を演出する提案は
人気が続くと推測できる他、ペット共生なども
従来以上に大きなテーマとなってくる可能性が考えられます。


いずれにせよ、住宅という高額商品を売っていく上で、
常に価値観のアップデートを忘れないようにし、
購入者のニーズに合った提案ができるようにしていたいものです。


(情報提供:住宅産業研究)

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