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2023年12月19日

「バイオフィリックデザイン」について考える商品・トレンド

mba

今回は流行の兆しを見せている
「バイオフィリックデザイン」について考えてみようと思います。


そもそもバイオフィリックデザインとはどのようなものでしょう?
まず、「バイオフィリック」という言葉は、
「バイオ=自然・生命」、「フィリア=趣味・愛好」を掛け合わせた言葉で、
人間に先天的に自然を好む性質が備わっていることを示します。
山や海など、自然の中にいると心地よい気持ちになることを考えると
分かりやすいかと思います。


建築物のデザイン原理の中にこの説を適用し、
建築環境における自然とのつながりを向上させる手法が、
バイオフィリックデザインです。


バイオフィリックデザインの3原則


この考え方の基本原則は以下の3つとされています。
【1】自然との直接的なつながり
【2】自然との間接的なつながり
【3】人の空間に対する反応


具体的な例を挙げていくと、

【1】については、
水のある環境やグリーンを取り入れることなどです。

【2】については、
生物に似た形・柄のアイテムを取り入れることなどが挙げられます。

そして【3】については、
眺望の良い景色を取り入れること、
リトリート(日常から離れた環境に身を置き、
いつもと違った体験を楽しむこと)的な、
隠れ家要素を取り入れることなどが挙げられます。


バイオフィリックデザインは、
精神的、肉体的な幸福を向上させるための手段として
効果があると証明されており、建物や空間内での認知機能も向上させます。


16ヶ国のオフィスワーカー7,600人を対象に行った調査の結果では、
植物や日光といった自然の要素(バイオフィリックデザイン)が
採用されている環境で働く人のほうが、そうでない人に比べて、
幸福度、生産性、創造性が高いという結果が確認されています。


バイオフィリックデザインはもともと、
オフィスなどでは取り入れられてきた考え方ですが、
徐々にマンションの共用部、戸建住宅にも
取り入れられるようになってきています。


この背景にはコロナ禍以降に発生した、アウトドア需要、
在宅時間が長くてもストレスフリーな住環境のニーズなどがあると考えられ、
ストレスフルな現代に適したデザイン思想だと言えるでしょう。


バイオフィリックデザインの実例


バイオフィリックデザインの実例として、最も有名なものでは、
フランク・ロイド・ライトの「落水荘」が挙げられます。
世界遺産にも登録されているこの建物は、滝の上に建てられており、
リビングにある階段からは、
直接水辺に降りることができるようになっています。


また、大きな窓からは大自然の木々や滝の流れを見ることができます。
オフィス等で取り入れられてきた考え方と前述しましたが、
世界的な大企業であるGoogle、Amazonのオフィスでも
バイオフィリックデザインは取り入れられています。


スイス チューリッヒのGoogleオフィスは、
ラウンジを100本もの植物がとりまいています。
アメリカ シアトルのAmazonのオフィスには、
4万本の植物が植えられているほか、室温22℃・湿度60%の
“植物が生育しつつも不快な環境にならない”ように配慮された
温室のようなワークスペースが設けられています。


住宅会社でもバイオフィリックデザインの活用は進んできています。
大手ハウスメーカーの例を挙げれば、
大和ハウス工業が2023年7月に発売した、
個室型ワークブース「ハコノワ」です。


このワークブースのデスク正面には、
奥行30cmの植栽ユニット「バイオフィリックウィンドウ」が設置されており、
利用者は作業中に植物が視界に入ることで、
ストレス軽減効果が期待できます。


三井ホームの木造マンション「MOXICION 四谷三丁目」も、
バイオフィリックデザインの好事例です。
この物件では、エントランスで森の自然音を再現したBGMを流し、
木のアートを置いています。


また、木漏れ日を思わせる照明(共用部)や、
内装に木調カラー(共用部及び専有部)を採用しており、
ストレス低減や幸福感を向上させる等の効果を狙っています。


このほか感度の高い地場ビルダーでも、
バイオフィリックデザインは採用されています。
群馬の渋沢テクノ建設の注文住宅ブランド「icocochi(いここち)」では、
モデルハウスに中庭、ウッドデッキなどの5つのグリーンスペースを作り、
どこにいても緑を感じられるようなデザインとしています。


バイオフィリックデザインは
オフィスやマンションに取り入れられることが多いですが、
戸建住宅への採用のハードルは高いものではありません。


インテリアにグリーンを取り入れる、眺望を意識するなど、
提案の引き出し、及びその根拠として持っておき、
お客様への訴求力を高めることに
活用していくことから始めても良いかもしれません。


(情報提供:住宅産業研究)

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