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2024年01月09日

大規模建築の建替えに代わる選択肢、「リファイニング建築」とはリフォーム・リノベーション

mba

近年、建設業界ではかつてのスクラップアンドビルドから脱却し、
既存の建物を再生して利活用を促進するという気運が高まっています。
SDGsや脱炭素といった社会の潮流もその後押しをしています。
そして、その提案を積極的に行っている設計事務所が青木茂建築工房です。


築古の建物を改修工事によって新築並みの性能に高める
「リファイニング建築」を提唱し、
今や複数の大手企業と協業して建物再生を手掛けています。


築古の建物を再生し新築並みの性能へ


青木茂建築工房の「リファイニング建築」は、
大規模建築を再生させる手法の一つです。
既存建築の構造躯体を約80%再利用する手法で、
通常の建て替え工事よりも脱炭素、SDGsに貢献するだけでなく、
建物オーナーにとっても工期やコストを抑えられるなどのメリットがあります。


耐震補強も同時に実施していますが、
これは銀行から融資を受けるという観点でも重要な工事です。
リファイニング建築は、今や業界内外から注目されています。


他社との協業ということでも、
2016年に三井不動産と業務提携、
2019年にはミサワホームと新会社を設立しました。


三井不動産は青木茂建築工房、東京大学と共に、
リファイニング建築の環境負荷に関する定量的な研究を実施しており、
2021年にその脱炭素貢献度について発表しています。


この研究では建設プロジェクトを
「建材の製造」、「運搬」、「施工」の3段階に分類し、
最もCO2排出量削減効果が大きいと見られる
「建材の製造」段階に着目しました。


リファイニング建築時に使用される建築資材量を算出し、
資材の製造時におけるCO2排出量を試算。
建替えの場合も同様に算出し、
それぞれを比較することによって
リファイニング建築のCO2排出量削減効果を検証しました。


その結果、建替えの場合では躯体の資材製造に伴う
CO2排出量が1,761トンに対して、
リファイニング建築の場合は40トンに留まるという
研究結果が導き出されました。


「内外装・設備等」についてはいずれも614トンと算出され、
合算値を比較すると、建替えの場合と比べ
全体で1,721トン(約72%)のCO2削減効果があるとのことです。


この研究を通して、
リファイニング建築は脱炭素社会に向けた
ソリューション提案の一つであることが客観的にも証明されたと言えます。


大手デベロッパーが建物改修に注力


青木茂建築工房と協業している三井不動産は
年間1~2件のリファイニング建築による
建物再生プロジェクトを手掛けており、
2023年末時点で7件目の工事が進んでいます。


この物件は1977年に建設された賃貸として運用されてきた共同住宅で、
東京都文京区本駒込に所在しています。
この本駒込プロジェクトのオーナーが
リファイニング建築を決断した理由は明確でした。


第一に収益性を確保することです。
建替えとなった場合、
1977年の竣工時にはまだなかった日影規制等の制限を受けるため、
建物規模を縮小する必要がありました。
地上7階建ての建物ですが、
建替えとなると最低でも1層分を削減する必要があり、
収益性が落ちることはほぼ確実でした。


一般的な建物改修においても懸念点がありました。
新耐震以前の建物に耐震補強を施す場合、
耐震ブレースを導入するケースが多いですが、
外観デザインや居住性が損なわれることもあり、
そうなると賃料を想定通りに上げられず、
投資効果も得られにくくなることがあります。


そこで、リファイニング建築による改修を行うことで、
建物規模を維持するとともに、
建物デザインに影響の少ない耐震補強を行い、
さらに現在の賃貸需要にマッチした間取りや商品企画を行うことで、
新築に近い賃料設定が可能となりました。


このプロジェクトでは、
デザインや構造などの技術的な設計監理を青木茂建築工房が、
賃貸需要のマーケティングなどの企画を三井不動産が担当しています。
竣工後はグループの三井不動産レジデンシャルリースで
サブリースを予定しているとのことです。


三井不動産には建物再生に関する問い合わせが年々増えているとのことです。
リファイニング建築の強みはストックを活用することで環境負荷を低減し、
事業性も確保できること。
耐震改修によって建物の耐用年数を再評価することで、
銀行からの融資も受けやすくなります。
既存建築の事業性を高めるリファイニング建築は今後も引き続き注目です。


(情報提供:住宅産業研究)

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