リアルとバーチャルで顧客との「接点創出」

今回は新たな顧客との接点を創出する場として、
リアルとバーチャルを活用している事例を紹介します。

リノベーション過程を体感

中古マンションなどのリノベーションを手掛けている東急Re・デザインは、
１月にマンションリノベーションの過程をモデルルーム化した
「リノベーション・スタジオ」をオープンしたと発表しました。
同社の「リノベーション・スタジオ」は、
自宅マンションの改装を検討している顧客に対して、
マンションリノベーションの過程を体験してもらう場として活用されています。

スタジオ内に設置された、中古マンションの部屋を再現したスペースでは、
一部を工事中の状態にしておくことで、
断熱材や配管、配線などの構造部を顧客が見られる状態にしています。

また、計画図面をデジタル化し、
ビフォーアフターのイメージを臨場感ある大画面を通して見ることで、
実物に近いスケールを体感できるということです。
さらに壁には完成後の部屋のイメージ画像を投影するなど、
リノベーションをリアルとバーチャルの両面から
体感できるようになっているということです。

現在、リノベーション・スタジオは、顧客１組ずつの予約制となっていて、
リノベーションについて気軽に相談できる空間として活用されています。
今後は、イベントや社内外向け研修などにも利用され、
最終的には完成モデルとして、
その変化についても顧客に公開する予定となっています。

街の魅力をメタバースで再現

野村不動産は、三越伊勢丹が提供するメタバースプラットフォーム
「REV WORLDS（レヴ ワールズ）」を、
分譲マンション「プラウドタワー相模大野クロス」の
販売において導入したと発表しました。
同社の分譲マンション販売において、
物件単体でメタバース空間を導入するのは初ということです。

今回の取り組みでは、
小田急線の相模大野駅北口からプラウドタワー相模大野クロスまでの
エリアの街の様子をメタバース空間で再現しています。
空間内には、物件情報が分かる掲示板や動画を設置し、
顧客自身がアバターとなり、
匿名で街や物件の情報収集を行うことが可能となっています。

メタバース空間には、以下の３つのエリアを用意しています。
１．他地域からのアクセス面などの
利便性について体感できる「相模大野駅エリア」
２．相模大野の街や生活の様子、
プラウドタワー相模大野クロスの特徴を
知ることができる「コリドー街エリア」
３．物件の専有部や共用部、実際の暮らしのストーリーを体感できる
「仮想プラウドタワー相模大野クロスエリア」

各エリアには説明動画を設けており、
地元の住民として登場するアバターとの会話などにより、
駅周辺の利便性や街の魅力、
物件の各施設の使い方などについての情報を得ることができるということです。

野村不動産では、これまでにもモデルルームに足を運ばずに、
希望する条件の相談や複数物件の情報収集を可能にしたメタバース機能
「プラウドオンラインサロン」の運営を行っています。

また、物件説明会や接客のオンライン対応、
さらには３Ｄコミュニケーションプラットフォーム「ROOV（ルーブ）」による
プレゼンテーションツール・販売資料のデジタル化や
クラウドプラットフォーム対応など、
顧客対応に関する業務のDXを強化しています。

今回、新たに物件独自のメタバース提案を導入したことにより、
顧客が街や物件をより鮮明にイメージできるほか、
契約状況や物件について気になった点を電話や来場を経ずに確認できるなど、
気軽に情報収集を行えるツールとしての活用が期待されています。

同社では今後もDXを推進し、
場所や時間に縛られない顧客サービスを提供していくということです。

(情報提供：住宅産業研究)