« 2024年07月
  •  
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  •  
  •  
  •  
2024年06月11日

「木造中高層建築」の今業界ニュース

mba

2024年3月の林野庁の発表によると、
2023年に着工した中高層木造建築物の床面積は前年比約2倍。
カーボンニュートラル、住宅会社の多角化推進などを背景に
木造中高層建築の普及が加速していることが分かります。
今回はそんな木造中高層建築の今を探っていきます。


木造中高層建築のメリットをおさらい


そもそも木造中高層建築のメリットはどこにあるのでしょうか?
まず1つに環境貢献に関することが挙げられます。
木造建築は、建築時の炭素排出が少なく、
木は炭素を固定し貯蔵する特性があるため、
地球に優しいとされています。


具体的に構造別にCO2排出量を比較すると、
木造を建築する際のCO2排出量を1とした場合、
S造(鉄骨造)は約2、
RC造(鉄筋コンクリート造)は約2.5となると言われています。
炭素固定効果については、
木造住宅はS造やRC造の住宅の約4倍の炭素を貯蔵するとされています。


また、木材の活用は林業の活性化にも繋がります。
このように、脱炭素という点で中高層木造建築は大きな役割を果たします。
もう1つの利点として、
他の構造と比較した際のコストメリットが挙げられます。
木造で使用する一般流通材の木材・建材は、
流通数が多いため、S造やRC造と比較すると価格が安定しています。


また木造中高層建築はS造やRC造と比べて建物重量が軽いため、
特に地盤改良工事、基礎工事、構造躯体工事等の
コストを抑えることができます。


その他、健康面・心理面での効果もメリットとして挙げられます。
木材の香りには、
血圧を低下させるなど体をリラックスさせる、
ストレスを軽減し免疫細胞の働きを向上させる
といった効果があるとされているほか、
木材への接触はストレスを生じさせにくいという報告があります。


また、内装に木材を使用することにより、
視覚的にも優しい印象を与えます。
これらの効果に着目して、
医院や教育・福祉施設に木材を使用する例も多く見られます。


木造中高層建築の実例


大手ハウスメーカーでは、
三井ホームが木造マンション事業「MOCXION」に力を入れています。
東京都稲城市の第1号物件は、
国内最高レベルの「高強度耐力壁(壁倍率30倍超)」、
RC 造と同等の床遮音性能を有する「Mute」など、
中層建築物木造化への課題を克服する普及性の高い技術を用いた
木造大規模中層建築プロジェクトである点が評価され、
「国土交通省 令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」
において採択を受けています。


もちろん、木造中高層建築ならではの高い環境貢献度を誇ることも特長です。
建設時のCO2排出量はRC造の約1/2に削減、
炭素貯蔵量はスギの木(35年生)に換算すると
約3,000本に相当するとしています。


また、同物件は「ウッドデザイン賞2022」も受賞しています。
同社はこの1号物件を皮切りに、木造マンション建築を加速させています。
例えば1号物件に続き、
四ツ谷三丁目に竣工したMOCXIONでも「ウッドデザイン賞2023」を受賞。
その他、関西エリアでも木造マンションの展開を開始しました。


三井ホームの母体となる三井不動産は、
より大きな木造建築を手掛けています。
2024年1月、同社は国内最大・最高層、
地上18階建・高さ84m・延床面積約28,000平米の
木造賃貸オフィスビルに着工したことを発表。


保有林含む1,100立米超の国産木材を構造材に使用しており、
一般的なS造オフィスビルと比較して、
躯体部分において、建築時CO2排出量約30%の削減効果を想定しています。
「人は自然とのつながりを感じたいものである」
という考えのもとで設計を進める
「バイオフィリックデザイン」の採用等、
木造中高層建築ならではの価値創造に
取り組んでいることも注目したいところです。


AQ Groupは2024年4月に8階建純木造ビルの完成見学会を実施しました。
同物件の特徴は、今後の純木造中規模建築の普及を視野に、
一般に住宅でも使われている木材、金物を極力使用している点です。
併せてモジュール化やグリッド化をすることで
設計・施工の標準化をしています。


建築坪単価は145万円と、従来の純木造ビルの約1/2の価格。
施工期間も17ヶ月と短期間での完成となっています。
同社はこれまでも中規模木造建築への実証実験を重ねており、
今後も木造中高層建築の普及に努める意向です。


同社の代表は
「延床面積3,000平米なら工務店や地場中小ゼネコンでも
建てられるのではないか」と所見を述べており、
技術普及や法制度拡充により、
住宅会社にとっても木造中高層建築は
身近なところまで来ているかもしれません。


実際、縮小する住宅市場の中で、
多角化の1つとして木造非住宅を手掛けるようになった
住宅会社は増加の傾向にあります。
環境貢献や多角化など、
様々な面から木造中高層建築を次の一手として
視野に入れることも良いかもしれません。


(情報提供:住宅産業研究)

ページの先頭へ

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

無料!今すぐ登録

最短で工務店MBAにご登録いただくには、下記の都道府県名を選択し、PCメールアドレスだけ入力して下さい。簡単に登録は完了します。

入力間違いが多発しております。
メールアドレスをご確認ください。

都道府県

PCメールアドレス

個人情報取り扱い合意書
同意する
入力された個人情報の取り扱い方法、利用目的は、ここをクリック

 
Google +1